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林洋平ブログ(こだたま行政書士事務所&株式会社リブリッシュ)

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自己破産の誤解を解く

投稿日:2015年3月25日

 東京都小平市、一橋学園から多摩地区の皆様へ。
 こだたま行政書士事務所です。

 

 今回は自己破産という制度についてです。

 但し、個別具体的な話に対して判断を加えるようなことは、原則は弁護士のみに許されたことですから、一般的な話とそこに少し前職での実務経験を加えるくらいの話にとどめます。

 

 自己破産手続きというものに対しては、未だに多くの誤解があるように感じます。

 

  • もう預金口座作れなくなるんですよね?
  • 戸籍に載るんですよね?
  • 選挙権失くなるんですよね?

 

 これ、たまに聞かれるのですが、すべてガセです。

 おそらくこれは、平成12年よりも前に存在していた「禁治産者(きんちさんしゃ)」制度がそうだったので、破産について、その辺と混同しているのかなあと思っています。(実際は知りません)

 

 禁治産者というのは、そのまま漢字を解釈すると「財産を治める(管理する)ことを禁止された人」ってイメージですよね。自己破産も、漢字から来るイメージとしては「今後、財産管理を禁止する」と思っちゃいそうですもんね。

 

 でもそんなことはありません。

 自己破産は、再生の手続きです。(他に「個人再生」という手続きもありますが、それはまた今度。)

 人生は人それぞれの事情がありますから、多額の負債を抱えることもあるとは思います。

 生活苦だったり、浪費だったり。

 

 通常の収入世帯だと、負債額が200万円を超えてくると返済はかなり辛くなってきます。

 弁護士に相談し、仮にその弁護士が「任意整理」という手続きを採ってくれたとしても、月々の返済は3~6万円となることが多く、それを支払っていくために何か大事なことを我慢したり、例えば子供がいる家庭で、子供がたまに「おもちゃ買って」と言ってきても、「お父ちゃん(お母ちゃん)は借金の返済があるから、買ってあげられないんだ、ごめんね」と言わなければいけないかもしれません。

 別に子供を甘やかすということではないのですが、本当に、いつも我慢させている子供が、たまにそういうことを言ってきたとして、「いつまで続くか分からない借金地獄のせいで」それをしてあげられないのは、果たしてどうなんでしょう。借金が無ければまだしも。

 

 それを打破するひとつの方法が、自己破産です。

 

 自己破産とは、簡単に言うと、自らの資産(不動産や車など)をすべて借金の返済に当ててもその後の返済継続が難しい人が、裁判所に申し出て、支払不能(借金が返せないこと)を認めてもらうことです。

 

 実務上は、それに加えて免責(返済の義務を免除)手続きも同時に行い、一定の資産を裁判所に差し出し、負債の返済義務をなくしてもらいます。軽い言葉で言うと、借金をチャラにしてもらうことです。

 

 本来、借入原因の多くがギャンブル等の浪費だと免責不許可、つまり、支払不能の認定だけ受けて借金がチャラにならないという意味不明の結論になるところですが、「破産管財人」という人が何とかして免責をもらえるよう意見してくれることがほとんどです。
 
 現在、免責不許可率は1%未満と言われています。借入原因が詐欺的な借入レベルの相当アクドイものでない限り、通常の人は免責がもらえています

 

 一定の資産というものは何かというと、各地の裁判所で決められているのですが、東京地方裁判所では、おおよそその価値が20万円を超える財産、ということになっています。

 例えば不動産、例えば車、例えば保険の返戻金、例えば預金、などです。

 生活に必要な20万円以下の財産が取られることは原則としてありません。家具とかね。
 また、東京では生活必需品とも言えない車なんかも、地域や個別の事情によっては特別な申立をして維持できることもあります。(この辺は弁護士に相談してください。)

 さらには、破産手続き中であっても現金99万円までは維持してオッケーということなので、立て直しのお金すら取られるということもないのです。

 なので例えば賃貸アパートに暮らしていて、特段の資産もない方は、自己破産を採ったところで、借金苦から立ち直れる以外は、何か物を失うことも、住まいを失うこともないわけです。

 そして冒頭に書いたような戸籍記載であるとか選挙権を失うということもありません。もちろん預金口座も作れます。

 

 不利益としては、今後7年~10年間は、新たな借入やローンを組むことができないことがありますが、多くの方は、「そのくらいもう全然いい」と言われます。それはそうですよね。苦しみを一番知っている人ですから。
たまに、子供のための奨学金のことを気にされる方はいますが(奨学金は原則親が連帯保証人となることが多いので)、機関保証という制度もあるし、何とかなります。
 また、「いずれ家買いたい(住宅ローン組みたい)・・・」と言われる方もいますが、基本的に多重債務のまま住宅ローン申し込んでも審査の結果は厳しいものになるでしょうから、これもいずれは納得されます。

 

 債権者(銀行や貸金業者)には悪いのですが、まあ彼らも年利10~20%(これ、実は冷静に考えると結構高いです。)取っていることだし、何とか乗り切ってくれるでしょう。

 

 まあ、自己破産だとせっかく自分でマイホームを買った人は、そこは失ってしまうことになりますけど、大事なのは、これからの人生です。
 多重債務で自殺に追い込まれる人も少なくないですが、そのほとんどは、この制度を正しく知っていれば、死ぬことなんてなかったはずです。
 もしくは制度自体は知っていたけれども、正しく理解していなかったか、正しく理解していても何かのプライドのようなものが邪魔をしたのかはわかりません。

 

 ただ、僕がもし近くにいたら、一社会人として正しく理解するまで説明したか、プライドなんてクソくらえって感じで絶対に止めたと思います。

 

 現に、自己破産を採って人生(というか、ささやかな生活)をやり直せた人は大勢います。
 過去の失敗は、それを自ら乗り越えるまでは、死んでしまってはダメです。
 ぜひ、もう借金で死にたいとか思っている人は、弁護士のとこ行ってください。
(ちなみに、破産手続きにおいて申立書を作成することは司法書士でもできますが、個人的には申立もやってくれる弁護士が良いと思います。)

 

 ちなみに、破産から話逸れますが、冒頭の禁治産者。
 今は成年後見というものに制度や呼称が変わっており、その事実が戸籍に記載されることもなくなりました。

 

 また、成年後見制度の中の「成年被後見人」となった場合、従来は選挙権が失くなっていましたが、今年の7月以降の選挙から、選挙権が回復しています。
 自ら預金口座を新たに開設させることはできませんが、これは行為能力の問題であって、意地悪でやっているわけではありません。

 こういう制度を正しく理解し、利用すべき人が利用できる社会にしていきたいですね。







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