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林洋平ブログ(こだたま行政書士事務所&株式会社リブリッシュ)

許認可

【ムダ知識】宅建業者の専任取引士への道を模索して予想通り無理があった話

投稿日:2018年8月16日

小平市のこだたま行政書士事務所です。

今回はかなり役に立たない知識ですがいろいろ考えてみることも楽しいですよ、とそれだけの話です。
お時間がある方は読んでみてください。

 

さて、当事務所の林が取締役となっている別法人の株式会社リブリッシュ。
もうすぐ建設業許可の他に、宅建業免許を申請する予定です。(詳細なビジネスモデルのリリースはまだ)

そのうち、宅建業免許については宅建業(不動産関係の仕事)に従事する者のうち5人に一人は「専任の宅地建物取引士」でなくてはなりません。

当事務所の場合、そもそも役員が2名と従業員が1名の3人ですから、全員が宅建業に従事するとしても、そのうち誰か一人が専任取引士になれれば充分です。

そのうち、林は以前宅建業者に勤務して専任取引士をやっていたこともあるし、この前5年に一度の法定講習を受けて宅建士証も新しくしてきましたので、まぎれもない宅建士です。

一方、代表取締役の髙橋は、今回のことを見越して昨年の宅建試験を受けて合格しているので宅建士となる見込みはつきます。

ではここで、林が株式会社リブリッシュの専任取引士に就任することができるでしょうか。
まずはそこから説明していきます。

宅地建物取引士の「専任」性

林が専任を務めることができるか、その答えを最初に言ってしまうと、「現状ではできない」です。

専任という言葉の意味は、ここでは「株式会社リブリッシュにしか勤めていない」ということです。
林は、法人の役員ではありますが、こだたま行政書士事務所という個人事業を営む個人事業主という立場もあります。

この「個人事業主である」という事実がある限り、別法人であるリブリッシュの専任とはなりえないのです。
つまり、個人事業を廃業しない限り無理ということになります。さすがにここまでやってきた事務所を廃業するのは勿体ないのと、これまで取引があったお客様のフォロー(各種変更手続きや更新申請など)もできなくなるということなので現実的ではありません。
この時点で、リブリッシュで宅建業免許を取るには、代表取締役髙橋が専任取引士になるしかない、ということになります。

ちなみに、個人事業を営んでいるということを隠して専任取引士として申請したらどうなるでしょうか。
特に今回個人事業とは言っても行政書士業であり、行政書士業の登録は東京都ではなく、日本行政書士会連合会というところです。

例えば林が個人で宅建業を営んでおり、そちらで専任取引士になっているのであれば、東京都として「他の会社の専任などやってないかな?」と調べればすぐにデータが出てきて「あなた個人名義の事業で専任やってるから別法人の専任の二股ダメですよ」となるのは目に見えています。

しかし今回は行政書士という、東京都ではスポットで調査できない事業をやっているのです。

これはあくまで推測ですが、この場合、結論としては他に個人事業をやっているということは判明せず、専任取引士として認められる可能性が高いのではないかと思います。(まあその場合、今後行政書士として他社の依頼を受けて宅建業免許申請をすることはかなり気が引けてしまいますが)

ただ、これは間違いなく現行の免許基準の上では虚偽申請となります。
もし後でバレたら免許取り消しになることに加え、免許不正取得をした法人に役員としていた者が、例え別会社を立ち上げて申請したとしても、5年間は欠格事由にあたり申請が拒否(却下)されます。

我々が、そんな愚かなことをするはずがありません。
全ては、髙橋に託されたのです。

 

というわけで、髙橋が専任取引士に就任することを目指す

目指す、と言っても髙橋は試験合格者であり、宅地建物取引士としての欠格事由も、専任性の問題もないので、手順を踏めば専任取引士になることができます。

 

しかしこれ、大変な時間とお金がかかります

 

試験に合格した後の第一歩として宅建士として資格登録をする必要がありますが、登録されるためには主に

  • これまで宅建業者に勤め、実際に宅建業の取引に関わってきた経験が2年以上ある(10年以上過去の経験はダメ)
  • 登録実務講習を10年以内に受講し、修了している

のいずれかが必要となります。

このうち、髙橋の場合は過去に宅建業者に勤め、最前線で活躍してきたので本来は実務経験があります。
しかし、その証明にはその勤務先にいろいろと書類をもらわなければならず何かと面倒なので、実務講習の方を選び、最近やっとこさ受講して修了したところです。

じゃあ登録だ!と意気揚々と書類を揃え、昨日申請に行ってきたのですが、この時点の登録手数料だけでなんと37,000円かかり、さらに登録が完了して通知が来るまでに30日程度要することになっています。
そして通知が来たらまた都庁に出向き、4,500円支払って宅建士証の交付が受けられるのです。

宅建業の業者免許の申請手数料が33,000円ですから、それよりも高額なのはどういうことだ!と言いたくなるのをこらえ、今は粛々と登録完了を待っているところです。

この登録が完了し、宅建士証の交付を受けた同日に、おそらくは業者免許を申請することになるでしょう。
もちろん、髙橋が専任取引士として、です。

ここでムダ知識発動。一回聞いてみたかったこと。

そんなこんなで正攻法での手順を踏んでいる最中ですが、せっかく登録申請に出向いたついでに、新規免許窓口の職員さんには悪いですが、一度聞いてみたかったことを聞いてみることにしました。
行政書士として聞いてしまうと「何言ってるんだこいつ」感が増してしまうので、リブリッシュ役員として以下のことを聞いてみたのです。

「今の時点では他に個人事業をやっている林ですが、業者免許の付与と共に個人事業を廃業するとしたら、林を専任取引士として免許申請できるのか」

これです。
何という質問でしょう。職員のため息が聞こえるようです。

 

考え方の一つではありますが、「専任性」が求められるのはあくまで営業を開始する時点以降、という視点に立ったものです。
申請して免許が下りるまでは営業も何もないわけですから、専任という概念自体が発生しえないのではないかということです。

さらに言うと、業者免許の審査にも最大30日かかりますが、仮に林を専任取引士として業者免許が可能だったとして、1週間後に申請したとします。

この場合、時系列でいくと髙橋の取引士登録の方が先に完了することになりますが、それに少し遅れて業者免許が付与される瞬間に「あ、やっぱり髙橋の方が専任取引士の要件満たすから、専任取引士の変更手続きをします。」と申し出るスキームは可能なのかに興味があったのです。
(専任の取引士が欠けた場合、2週間以内に新たな専任取引士を確保して変更手続きできれば良いことになっています)

もちろん、林については「最初は確かに免許が取れたら宅建業に専念するつもりでしたが、髙橋が専任やってくれるんだったらそっちに変えて、私は個人事業も続けます。」という悪質ともいえる裏道に逃げ込むのです。

 

都庁の答えはもちろん「ダメです」(他にもいろいろ話あり)

 

本当は、突き詰めて考えるとこの手法は通じるのかもしれません。
しかしこの方法、こんなに揉めそうな話なのに、正攻法に比べてわずかに免許取得が早まるだけ。
その差はリブリッシュとして大した問題ではないし、専任の取引士変更にまた行くのが非常に面倒、という理由でさすがに交渉して実行まではしません。

それにやはりどこか行政書士としての倫理観が、「免許申請時点で専任性や常勤性を含め要件を満たしえる必要があります」と囁くのです…。

 

まとめ

そういうわけで審査職員を今年最大に呆れさせる質問をしながらも、いろいろ考えてみるのも許認可は楽しいよね、と話しながら帰途についた終戦の日でした。

なかなか行政書士としてお客様の依頼を受けている案件ではこういうお遊び質問はできませんが、当事者なのでああでもないこうでもないと考えるのも貴重な経験になりました。

都庁の職員の方お時間ありがとうございました。

免許申請の際には宜しくお願いします。







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