暴排条例が禁止していること (暴力団関係者向け)
東京都暴力団排除条例は、いくつか禁止事項も定めています。
ほとんどは暴力団関係者側に対して規制しているのですが、中には一般市民に対して規制をしているものもありますのでご注意ください。
まずこのページでは、どちらかと言うと暴力団関係者側に向けられた規制をご説明しています。
妨害活動の禁止
例えば「現在暴力団に入ってはいるが、もう足を洗いたい」と思っている人がいる場合、その人が「足を洗う」ことを誰も妨害することはできません。
他にも、「都民等の努力義務」でご説明したようなことを実現しようとしている人の妨害もできません。
例えば都民等の努力義務のひとつに「お祭りやイベントの主催者は、暴力団関係者に対して露店の出店等の他、運営に関与させないよう努めなければならない」というものがありますが、これを守って暴力団を排除しようと努めている主催者の、その「暴排活動」を誰も妨害できないということです。
- 違反すると・・・
これに違反した場合(妨害活動を行った場合)、公安委員会からの中止命令を受け、命令にも違反した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金という罰則があります。
青少年を暴力団事務所へ立ち入らせることの禁止
青少年(18歳未満の男女)を暴力団事務所に正当な理由なく立ち入らせた場合は違反となります。
暴力団事務所に立ち入らせる「正当な理由」というのもなかなか思いつきませんが、例えば痴漢などに追いかけられている少女を見つけた暴力団員が、「こっちに逃げてこい」と暴力団事務所の敷地内で少女を保護することなどでしょうか。
- 違反すると・・・
公安委員会からの中止命令を受ける他、その事実が公表されます。また、命令にも違反した場合、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金です。
暴力団事務所開設及び運営の禁止
下記施設の敷地から半径200メートル以内においては暴力団事務所を開設し、運営をしてはいけません。
【保護対象施設の例】※これで全てではありません。
- 学校(幼稚園、小学校、中学校、高校など。大学は除外)
- 家庭裁判所
- 児童福祉施設、児童相談所等
- 少年院や少年鑑別所
- 公民館、図書館、博物館等
なんとこの規定、条例が始まる前から存在していた暴力団事務所には適用しないので、今現在小学校の隣に暴力団事務所があったとしても即違反しているかどうかは分かりません。
小学校の隣に新しく事務所を作ろうとすると完全にアウトです。
- 違反すると・・・
1年以下の懲役または50万円以下の罰金です。命令を出すまでもなく罰金刑の対象となります。
他人の名義利用の禁止
暴力団員であることを隠すために他人の名義を利用してはいけません。
いわゆる名義借りです。
- 違反すると・・・
公安委員会から勧告を受け、その事実が公表されます。
利益供与を受けることを禁止
事業者から利益供与を受けたり、利益供与させてはいけません。
- 違反すると・・・
内容により公安委員会からの勧告と公表だけで済む場合もありますが、命令と罰則(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)が加わることもあります。
これらは、主に暴力団関係者側の人に対して一定の行為を禁止するものでした。
しかし冒頭に申し上げた通り、他に、一般市民に対して規制をしているものもあります。
都民等(主に、都内の事業者)は、どういう行為が禁止されるのでしょうか。
それはまたの機会に!