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林洋平ブログ(こだたま行政書士事務所&株式会社リブリッシュ)

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個人事業における開業届の提出と書き方※記入例あり

2018年11月9日

個人事業で開業する場合、個人事業用の書式で納税地を管轄する税務署(長)宛に開業届を提出するルールとなっています。
(法人設立後の事業開始についてはまた別の書式です。)

この記事では、その開業届について書き方を交えて説明していきます。

開業届の提出先・期限

開業届は正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」という名称で、納税地を管轄する税務署の窓口で提出します。その窓口宛に持参するか、郵送でも可能です。

提出用と同じ内容を控え用として合計2部作成し、控え用は税務署の収受印(受付印)を押してもらった上で返してもらいましょう。後々、預金口座の開設などで控えを使う場面が出てきますので。

納税地とは、基本的には住民票がある住所となりますが、自宅と別に事業所(事務所や店舗など)があり、どうしてもそこを納税地としたい場合には所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書を提出しましょう。ただ、そこまでしてやるメリットはさほどありません。

【参考】税務署の所在地などを知りたい方(国税庁のページにリンク)

提出期限は、事業を開始した日から1ヶ月以内です。
遅れてしまっている方はできるだけ早く提出しましょう。

開業届の書き方自体はそんなに難しいものではありません。
次から説明する記入方法を参照の上、提出すれば大丈夫です。

 

開業届の書き方(記入例で説明)

開業届の書式は全国共通で、国税庁のサイトで入力可能型のPDFとして公開されています。もちろん各税務署で用紙をもらうこともできます。
念のため、こちらでも平成30年11月時点での開業届の書式をPDFでダウンロードできるようにしておきます。

 

開業届をダウンロードする(PDF)

 

このPDFはPCなどから直接必要事項を入力することができ、それらが控えにも転記されていくので便利です。

では、書き方を説明していきます。

必要項目に番号が振ってありますので、それに対応する形で分けて説明していきます。
なお特に説明がない部分については、新規の開業において空欄のままスルーしてよい項目と解釈してください。

①税務署名と日付

ここには提出する先の税務署を記入します。見本では納税地(東京都小平市)を管轄する東村山税務署となっています。

【参考】税務署の所在地などを知りたい方(国税庁のページにリンク)

日付についてはあまり深く考える必要はありません。税務署に持参する日付、または郵送で届出書を出す場合は発送日でよいでしょう。

 

②納税地

「住所地」「居所地」「事業所等」の中から選択した上で、その住所、所在地を記載します。
自宅とは別に事務所や店舗(事業所)を構えていても、個人事業の場合は「住所地」として自宅住所を記載することが最も基本的なやり方で、かつ間違いありません。

ちなみに居所地とは、例えば住民票がある場所とは違うところで日々の生活をしている方(単身赴任など)などの、その日々の拠点ということになりますが、この場合でも住所地を納税地とすることで差し支えありません。

電話番号も、固定電話・携帯電話いずれか連絡がつきやすいと思われる方を記載すればかまいません。

 

③上記以外の住所地・事業所等

②に記載した住所と別に事務所や店舗がある方はここにその所在地を記載しておきます。

②に原則通り自宅住所を記載した方が他に事業所を持っている場合はその事業所の所在地を記載。
②に事業所を記載した方は、この③に住所を記載することになります。

特になければ空欄でも「同上」と書いてもOKです。あまり細かいことは考えずとも何とかなります。

電話番号は固定電話・携帯電話いずれでもかまいません。

 

④氏名・生年月日

フルネームと生年月日を記載した上で、押印します。押印は認め印でも実印でも、屋号がある方は屋号の印でもかまいません。
公的な書類なのでいわゆるシャチハタなどのゴム印でなければ問題ありません。

ちなみにこの欄、私が開業した当時は性別欄もありましたが今は削除されているようですね。
事業を行うに、性別はさほど注目しないという方針に変わったのでしょう。

 

⑤個人番号

マイナンバーです。
平成28年(2016年)1月からマイナンバー制度が本格的に開始され、開業届にもこの記載欄が設けられました。

控えには記載不要ですが、税務署へ提出する分については記載を拒否できませんので正確に書いておきましょう。

 

⑥職業・屋号

職業については、おおよそ分かれば大丈夫です。複数の事業を予定されている方であっても、大半を占める業種を1~2つ書いておけばよいでしょう。

例えば、記入例では「行政書士業」と記載してありますが、もっと大まかに「士業」としても問題はありません。
飲食店の方でも「和風居酒屋」と書いてもいいですし、「居酒屋」でもよいですし、「飲食業」でもよいのです。

どちらにしろ確定申告事に職業を記載する欄がありますので、開業届の時点では悩まず直感で記載しましょう。

屋号がある方は屋号も書きます。ない方は空欄で結構です。
事業ごとに複数の屋号をお持ちの方でも、ひとまずどれか1つを記載すれば足りるでしょう。

 

⑦届出の区分

新規開業なので、記入例どおり「開業」に○をつければ終わりです。
PDFをダウンロードされた方は、この○をつける作業がパソコン上ではできないと思いますので、印刷した後に手書きで○をつけましょう。忘れずに。

 

⑧開業・廃業等日

ご自身で、「この日から事業を始めたな」と思われる日付を書きます。

深く考えてしまうと「準備期間も入るのかな…」や「初めて売上があった日かな…」など、迷い出してしまいますので「この日!」と直感で決めてください。

多少ずれてても、法的に、または税務上で大きな問題になることはありません。

たまに開業届を出すのが大幅に遅れて、税務署から実際の開業日との開きを指摘されることを懸念してなのか、提出日と近い日付で出そうとする方がいると聞いたことがありますが、それも実際開業したと思われる日を書いてください。

いちいち税務署はその辺で怒りません。ご安心を。

 

⑨開業・廃業に伴う届出書の提出の有無

新規開業者の場合、検討することは「青色申告承認申請書」と「(消費税に関する)課税事業者選択届出書」を開業届と同時に出すかどうかです。同時に出す場合は、それぞれの欄が「有」となります。

前者は事業を行っていくにあたって、青色申告で行うかどうかで申請書を出すかどうかが変わってきます。
一般的には、青色申告が推奨されています。記帳の方法は複式簿記で行い、帳簿類なども多少多くなるので手間は増えますが、その分メリットが多いからです。

後者は通常、「無」とすることが多いと思います。
本来、個人事業を開業して2年間は消費税について事業者として税務署に納めなくとも許される「免税事業者」となり、それはかなりのメリットです。
課税事業者選択届出書を開業届と同時に提出するということは最初から課税事業者となるため、2年を待たずに消費税の納税義務が生まれるのですが、ごく一部の業種で、一定のケースを除けば最初から課税事業者を選択する必要はないでしょう。

従って、通常は「青色申告~」の欄は「有」、「課税事業者選択~」の欄は「無」と○をつけることが多いです。

 

⑩事業の概要

事業の内容を簡潔に記載します。
あまりくどくど書く必要はありません。

不動産業であれば「土地・建物の売買及び仲介」、建設業であれば「内装工事の設計、請負、施工」程度の記載で足りるでしょう。

 

⑪給与等の支払いの状況

もし専従者(家族などで個人事業を専属で手伝ってくれる人など。正式な定義は「生計を一にしている配偶者その他の親族」)や使用人(パート含む従業員)がいなければ、この欄はまるっと空欄でかまいません。

もしいる場合は、専従者と使用人に分けてそれぞれの人数と、給与の支払い方法(年棒・月給・日給月給・時給、など)を記載します。もし同じ従業員でもAさんには月給、Bさんには日払い、など事情があったとしても、代表的なものを記載すればよいです。
なお、事業を手伝ってくれる家族がいたとしても、給与の支払いを行わない場合はここでいう「専従者」にはあたりませんのでご注意を。

また、「税額の有無」というのは源泉徴収をするかどうか、するのであれば「有」、しなければ「無」となります。
短時間労働のパートさんは支払給与も定額となり源泉徴収もしない(非課税)こともあるでしょうから、その場合は「無」です。
従業員やパートさんが複数いて、そのうち誰か一人からでも源泉徴収をする見込みであるときは、「有」にしておいて、もし心配であれば「その他参考事項」に、従業員○名のうち△名は源泉徴収対象、その他は源泉徴収無し、とでも書いておけばよいでしょう。

ちなみに、開業届の時点でこのように給与支払いが見込まれいて、その旨をこの欄に記載した場合は「給与支払事務所等の開設届出書」を提出する必要はありません。

 

⑫源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無

⑪の「税額の有無」が「有」となった場合、給与を支払って以降、従業員から預かった(給与から源泉徴収した)源泉所得税を税務署に納めていかなければなりません。本来事業主としては、従業員から源泉した所得税を毎月税務署に納税する必要があります。

しかし、従業員が10人未満の場合は、その納付を1月と7月の年2回にすることができる「源泉所得税の納期の特例」が用意されています。
もし従業員の中で源泉徴収をする必要がある方を雇っている場合は、ここは「有」にして別途「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出しておきましょう。
そうすることにより、源泉所得税の納付を半期に一度にまとめることができます。

もちろん、誰も雇わず一人で事業を行っていく場合はここは全く関係なくなるので、空欄で構いません。

「給与支払を開始する年月日」については、初めての給与支払予定日を入れるだけです。

 

都道府県税事務所にも開業届は提出するのか

さて、最低限必要な税務署への開業届の提出ですが、本来は他にも都道府県税事務所に対して開業届を提出することになります。
書式も違います。

これについては、いずれ確定申告をすれば自動的に都道府県税事務所にその内容が行きますので、出していなかったからと言って何か大きな問題になることはありません。

時間に余裕があれば出しておきましょう。







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