納税証明書と聞くと税務署を思い浮かべる方も多いでしょうが、建設業許可申請を扱う行政書士としては都道府県税事務所が発行する納税証明書の方が馴染みが深いです。
税務署発行の納税証明書は宅建業で取ったくらいかな…。
ところで当然と言えば当然なのですが、この納税証明書、何十年も前のものまで取れるわけではありません。
通常、「この書類は何年前の分まで」と決まっています。
普通にやっていればそんなに昔のものを取得すべきこともそうそうないのですが、建設業許可においてはそこそこ過去のものが必要になることがあります。
本来、その当時に取得してやるべきだった手続きが今の今まで漏れていて、今になってやる必要に迫られることがたまにあります。
今回そのパターンでした。
建設業許可は5年ごとに更新があるのですが、それ以前に、少なくとも毎年1回、決算が終わったら4ヶ月以内に「決算変更届」というものを都庁に提出します。(東京都の場合。他の道府県では手続き名称が違うことがあります。)
これをまったくやらずに、または1回でも漏れているまま更新の時期が近付いた場合、そのままでは更新申請の手続きが受理されませんので、先だって出すべき決算変更届を出す必要があるのです。最大で5回分、つまり5期分の決算変更届を一度に提出することになります。
さて、やることはやらなければ仕方ないので、5年前までの資料などを参照しながら1期分×5セットの書類を作成するわけですが、その5セットにはそれぞれに対応する期の納税証明書(都税事務所発行のもの)をつけます。
さすがに当事務所、5期分たまった更新は経験がなかったので今まで5年前の納税証明書を請求したことすらなかったのですが、以前、小平市にある立川都税事務所小平支所の方に「どれくらい遡って取れるもんなんですか?」と聞いたことがありました。
その際の回答は「過去5年分です。」ということでした。その時は、せっかく回答いただいた割に「へえ~」とお返しして終わりました。
まさか請求する羽目になるなんて。
しかし、いざ請求しようとするとどうしても不安になるじゃないですか。
本当に5年も前のものなのに取れるかなあ…
とか
取れなかったら都庁に対して始末書書くって聞いたことあるなあ…
とか、ネガティブイメージが駆け巡るじゃないですか。
都税事務所に再度確認すればよいものを、ネガティブになるのはだいたい夜(つまり役所の稼働時間外)であることが多いのでググってみるわけですよ。
すると、他の行政書士の先生(複数)が堂々と
納税証明書は過去3年分(または4年分)までしか取れません!
と書いているんですよ。
そんなこんなでがっかりしながらも、「まあ、取れないときは取れないで仕方ないからとりあえず立川警察署行くついでに立川都税事務所で取ってこよう…」と思い天下のJR中央線の電車に乗車。
立川駅から先日風営法違反の疑いでシャッターを壊された社交飲食店の店舗を激写し、一時不停止を見張っているのか白バイ隊員を傍目に立川都税事務所へ。
すると…
普通に取れるじゃないですか。
しかも、「当該年度を含み、最大6年度分取れます!(キリッ」らしいじゃないですか。
念のため特別区の東京23区も含め、東京都は全て同じ運用か確認したら「そうです!(キリッ」とのことです。
さらに、今回、納税証明書の請求申請書の書式上、1期につき1枚用意するのかと思い、5期分だから計5枚申請書を書いて持って行ったら、「1枚でいいですよ!書き方を教えます!(キリッ」ということで、教えてもらったのが下の図。
納税義務者の所はさすがにここで実際のお客さんの氏名等を書くわけにはいかないので、株式会社リブリッシュをサンプルとして。
で、右側の部分、矢印が向かっている赤で囲んだ部分です。
元々ここは
平成25.7.1~平成26.6.30 で1枚
平成26.7.1~平成27.6.30 で1枚
(中略)
平成29.7.1~平成30.6.30 で1枚
というように5枚に分けて持って行ったら、
「取りたい期間の初日と末日を入れてもらって、各1枚としてもらえればバッチリです!(キリッ」
ということで、上記画像のようになった次第なのです。
というわけで、過去の決算変更届などで納税証明書は過去いつまで取れるのかお悩みの同業者の方、東京都の場合は5年前でも取れます。
おそらく建設業許可の絡みで6期前の納税証明書を取得することはあり得ないと思うので、東京都の建設業許可(特に更新まで決算変更届をためてしまっていても)の場合は過去過ぎて納税証明書が取れないってことはないかと思います。
でも、そこそこの数の行政書士(しかも東京都内)が自身のウェブサイトに「納税証明書は3~4年前までしか取れない」と記載しているのは何か理由があるのでしょうか…。
このブログのこの記事をご覧になった皆さまは、この機会に「都税事務所発行の納税証明書は余裕で5年前の分も取れる」と覚えて帰りましょう!